相関と回帰

相関と因果関係

統計検定®ドリルの「相関と因果関係」に関する問題と解説です。全5問。

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  1. Q1 · 2級 · 暗記 · 4択

    2変数 $x, y$ のデータについて、共分散を $s_{xy}$、$x$ と $y$ の標準偏差をそれぞれ $s_x, s_y$ とする。 このとき、相関係数 $r$ の定義として正しいものはどれか。
    • $r = \dfrac{s_{xy}}{s_x s_y}$
    • $r = \dfrac{s_{xy}}{s_x^2 s_y^2}$
    • $r = \dfrac{s_x s_y}{s_{xy}}$
    • $r = s_{xy}$

    答え

    $r = \dfrac{s_{xy}}{s_x s_y}$

    なぜ標準偏差で割るのか

    共分散 $s_{xy}$ は $x, y$ の単位(スケール)にそのまま依存してしまうため、単位が変わると値も変わり、「関連の強さ」を素直に比較できない。 そこで $x$ の標準偏差 $s_x$ と $y$ の標準偏差 $s_y$ で割ることで、単位に依存しない無次元の指標にしたものが相関係数 $r$ である。

    相関係数の性質

    このように定義された $r$ は必ず $-1 \le r \le 1$ の範囲に収まる。 $r$ が $1$ に近いほど正の直線的な関係が強く、$-1$ に近いほど負の直線的な関係が強く、$0$ に近いほど直線的な関係が弱いことを示す。
  2. Q2 · 2級 · 計算 · 一問一答

    ある5人について、変数 $x$ と $y$ を観測したところ、以下の値が得られた。 • $x$ の偏差平方和: $S_{xx} = \sum (x_i - \bar{x})^2 = 25$ • $y$ の偏差平方和: $S_{yy} = \sum (y_i - \bar{y})^2 = 16$ • $x$ と $y$ の偏差積和: $S_{xy} = \sum (x_i - \bar{x})(y_i - \bar{y}) = 16$ このとき、$x$ と $y$ の相関係数 $r$ を求めよ。

    答え

    0.8

    解き方

    相関係数は次の式で定義される。 $$ r = \frac{S_{xy}}{\sqrt{S_{xx}} \sqrt{S_{yy}}} $$ これは、共分散を「$x$の標準偏差 × $y$の標準偏差」で割った形と本質的に同じである (両辺を人数 $n$ で割れば共分散・標準偏差の式に一致する)。 $\sqrt{S_{xx}} = \sqrt{25} = 5$、$\sqrt{S_{yy}} = \sqrt{16} = 4$ なので、 $$ r = \frac{16}{5 \times 4} = \frac{16}{20} = 0.8 $$
  3. Q3 · 2級 · 暗記 · 4択

    3つの変数 $x, y, z$ について、$x$ と $y$ の単相関係数を $r_{xy}$、$x$ と $z$ の単相関係数を $r_{xz}$、 $y$ と $z$ の単相関係数を $r_{yz}$ とする。 このとき、$z$ の影響を取り除いた $x$ と $y$ の関係の強さを表す偏相関係数 $r_{xy \cdot z}$ の 定義として正しいものはどれか。
    • $r_{xy \cdot z} = \dfrac{r_{xy} - r_{xz} r_{yz}}{\sqrt{(1 - r_{xz}^2)(1 - r_{yz}^2)}}$
    • $r_{xy \cdot z} = r_{xy} - r_{xz} r_{yz}$
    • $r_{xy \cdot z} = \dfrac{r_{xy} - r_{xz} r_{yz}}{\sqrt{(1 - r_{xz})(1 - r_{yz})}}$
    • $r_{xy \cdot z} = \dfrac{r_{xy} + r_{xz} r_{yz}}{\sqrt{(1 - r_{xz}^2)(1 - r_{yz}^2)}}$

    答え

    $r_{xy \cdot z} = \dfrac{r_{xy} - r_{xz} r_{yz}}{\sqrt{(1 - r_{xz}^2)(1 - r_{yz}^2)}}$

    偏相関係数とは何を表すか

    単相関係数 $r_{xy}$ は、$x$ と $y$ の間に直接の関係がなくても、 両方に影響する第3の変数 $z$ を通じて見かけ上の相関(疑似相関)が生じてしまうことがある。 偏相関係数 $r_{xy \cdot z}$ は、$z$ の影響を統計的に取り除いたうえで、 $x$ と $y$ の本来の関係の強さを表す指標である。

    式の成り立ちのイメージ

    分子の $r_{xy} - r_{xz} r_{yz}$ は、$x$ と $y$ の相関のうち 「$z$ を経由して説明できる部分($r_{xz} r_{yz}$)」を単純な相関 $r_{xy}$ から差し引いたものと考えられる。 分母の $\sqrt{(1 - r_{xz}^2)(1 - r_{yz}^2)}$ は、$x$・$y$ それぞれについて $z$ で説明できない残りの部分(の標準偏差に相当する量)で基準化するための項である。
  4. Q4 · 2級 · 計算 · 一問一答

    3つの変数 $x, y, z$ について、単相関係数が次のように得られている。 • $r_{xy} = 0.72$ • $r_{xz} = 0.8$ • $r_{yz} = 0.6$ このとき、$z$ の影響を取り除いた $x$ と $y$ の偏相関係数 $r_{xy \cdot z}$ を求めよ。

    答え

    0.5

    使う公式

    $$ r_{xy \cdot z} = \frac{r_{xy} - r_{xz} r_{yz}}{\sqrt{(1 - r_{xz}^2)(1 - r_{yz}^2)}} $$

    解き方

    まず分子を計算する。 $$ r_{xy} - r_{xz} r_{yz} = 0.72 - (0.8 \times 0.6) = 0.72 - 0.48 = 0.24 $$
    次に分母を計算する。$r_{xz}^2 = 0.64$、$r_{yz}^2 = 0.36$ なので、 $$ \sqrt{(1 - 0.64)(1 - 0.36)} = \sqrt{0.36 \times 0.64} = \sqrt{0.2304} = 0.48 $$
    よって、 $$ r_{xy \cdot z} = \frac{0.24}{0.48} = 0.5 $$
  5. Q5 · 2級 · 暗記 · 4択

    確率変数 $X$ と $Y$ について、「独立」と「無相関(相関係数が0であること)」の関係を正しく述べているものはどれか。
    • $X$ と $Y$ が独立ならば、$X$ と $Y$ は必ず無相関である。ただし、無相関だからといって独立とは限らない。
    • $X$ と $Y$ が無相関ならば、$X$ と $Y$ は必ず独立である。
    • $X$ と $Y$ が独立でなければ、$X$ と $Y$ の間には必ず何らかの相関がある。
    • 「独立」と「無相関」はまったく同じ意味の概念であり、一方が成り立てば他方も必ず成り立つ。

    答え

    $X$ と $Y$ が独立ならば、$X$ と $Y$ は必ず無相関である。ただし、無相関だからといって独立とは限らない。

    独立ならば無相関になる理由

    $X$ と $Y$ が独立であるとき、次が成り立つ。 • $E[XY] = E[X]E[Y]$ • よって $\mathrm{Cov}(X,Y) = E[XY] - E[X]E[Y] = 0$ • したがって相関係数も $0$ になる つまり、独立は無相関よりも強い条件であり、独立ならば必ず無相関になる。

    無相関でも独立とは限らない反例

    次のような反例を考える。 • $X$ は標準正規分布 $N(0,1)$ に従う • $Y = X^2$ と定義する • $X$ の分布は $0$ を中心に左右対称なので $E[X^3] = 0$ • $\mathrm{Cov}(X,Y) = E[X^3] - E[X]E[X^2] = 0 - 0 = 0$ となり無相関 しかし $Y$ の値は $X$ の値から完全に定まってしまうため、$X$ と $Y$ は明らかに独立ではない。

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