確率分布

離散型確率分布

統計検定®ドリルの「離散型確率分布」に関する問題と解説です。全17問。

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  1. Q1 · 2級 · 暗記 · 一問一答

    ベルヌーイ分布 $\mathrm{Bernoulli}(p)$(成功確率 $p$ で $X=1$、失敗確率 $1-p$ で $X=0$ をとる確率変数)の期待値と分散を求めよ。

    答え

    $E[X] = p, \quad V[X] = p(1-p)$

    導出

    $X$ は $0$ か $1$ しかとらないので、$E[X] = 1 \cdot p + 0 \cdot (1-p) = p$。分散は $E[X^2] = 1^2 \cdot p + 0^2 \cdot (1-p) = p$ であることから、$V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = p - p^2 = p(1-p)$ となる。

    二項分布との関係

    ベルヌーイ分布は、二項分布 $B(n, p)$ において試行回数 $n=1$ とした特別な場合に相当する。独立なベルヌーイ試行を $n$ 回足し合わせたものが二項分布であり、その期待値・分散が $np$、$np(1-p)$ となるのは、ベルヌーイ分布の期待値・分散を $n$ 個分単純に足し合わせているためである。
  2. Q2 · 2級 · 暗記 · 4択

    確率変数 $X$ が $1, 2, \ldots, n$ の値を等確率 $\frac{1}{n}$ でとる離散一様分布に従うとき、$E[X]$ を表す式として正しいものはどれか。
    • $\frac{n+1}{2}$
    • $\frac{n}{2}$
    • $\frac{n-1}{2}$
    • $\frac{n(n+1)}{2}$

    答え

    $\frac{n+1}{2}$

    導出

    $E[X] = \sum_{k=1}^{n} k \cdot \frac{1}{n} = \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} k = \frac{1}{n}\cdot\frac{n(n+1)}{2} = \frac{n+1}{2}$ となる。
  3. Q3 · 2級 · 暗記 · 4択

    確率変数 $X$ が $1, 2, \ldots, n$ の値を等確率 $\frac{1}{n}$ でとる離散一様分布に従うとき、$V[X]$ を表す式として正しいものはどれか。
    • $\frac{n^2-1}{12}$
    • $\frac{n^2}{12}$
    • $\frac{(n+1)^2}{12}$
    • $\frac{n^2-1}{6}$

    答え

    $\frac{n^2-1}{12}$

    解き方

    $E[X] = \frac{n+1}{2}$、$E[X^2] = \sum_{k=1}^{n} k^2 \cdot \frac{1}{n} = \frac{(n+1)(2n+1)}{6}$ より、$V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = \frac{(n+1)(2n+1)}{6} - \left(\frac{n+1}{2}\right)^2 = \frac{(n+1)(n-1)}{12} = \frac{n^2-1}{12}$ となる。
  4. Q4 · 2級 · 暗記 · 一問一答

    二項分布 $B(n, p)$ に従う確率変数 $X$ の期待値と分散を求めよ。

    答え

    $E[X] = np, \quad V[X] = np(1-p)$

    導出の考え方

    二項分布は、成功確率 $p$ のベルヌーイ試行を独立に $n$ 回繰り返したときの「成功回数」の分布である。各試行を $X_i \sim \mathrm{Bernoulli}(p)$($E[X_i]=p$, $V[X_i]=p(1-p)$)とすると、独立性より $X = X_1 + X_2 + \cdots + X_n$ 。期待値・分散はそれぞれの和になるため、$E[X] = np$、$V[X] = np(1-p)$ となる。

    ポアソン分布との関係

    $n$ が大きく $p$ が小さいとき(かつ $np$ が一定値 $\lambda$ に収束するとき)、二項分布はポアソン分布 $\mathrm{Po}(\lambda)$ で近似できる。
  5. Q5 · 2級 · 計算 · 一問一答

    確率変数 $X$ が二項分布 $B(10,\ 0.3)$ に従うとき、$P(X = 2)$ を求めよ。

    答え

    $\binom{10}{2}(0.3)^2(0.7)^8 \approx 0.2335$

    解き方

    $P(X = k) = \binom{n}{k} p^k (1-p)^{n-k}$ より $\binom{10}{2} = 45$、$(0.3)^2 = 0.09$、$(0.7)^8 \approx 0.05765$ $45 \times 0.09 \times 0.05765 \approx 0.2335$
  6. Q6 · 2級 · 暗記 · 一問一答

    超幾何分布 $\mathrm{HG}(N, K, n)$(サイズ $N$ の母集団のうち特性を持つ個体が $K$ 個あるとき、そこから非復元で $n$ 個を抽出した際に含まれる特性を持つ個体数を表す確率変数 $X$)の期待値と分散を求めよ。

    答え

    $E[X] = n\dfrac{K}{N}, \quad V[X] = n\dfrac{K}{N}\left(1 - \dfrac{K}{N}\right)\dfrac{N-n}{N-1}$

    イメージで理解する

    「$N$ 個のボールが入った袋の中に当たりが $K$ 個入っており、そこから $n$ 個を一度に(=非復元で)取り出したときの当たりの個数 $X$」と考えるとわかりやすい。1個引くごとに袋の中身が変わる(当たりの割合が変動する)点が、毎回同じ確率 $p$ で独立に試行する二項分布との決定的な違いである。
    期待値 $E[X] = n\frac{K}{N}$ は「母集団中の当たりの割合 $K/N$ に、抽出個数 $n$ を掛けたもの」であり、直感的には二項分布の $E[X]=np$ と同じ形をしている($p = K/N$ とみなせる)。

    有限母集団修正

    分散の式にある $\dfrac{N-n}{N-1}$ の部分が有限母集団修正係数と呼ばれる項である。$p = K/N$ とおくと分散は $$V[X] = np(1-p) \cdot \dfrac{N-n}{N-1}$$ と書け、これは二項分布の分散 $np(1-p)$ に修正係数 $\frac{N-n}{N-1}$ を掛けた形になっている。
    非復元抽出では、一度取り出した個体は戻らないため、独立に復元抽出する二項分布の場合よりも結果がばらつきにくくなる($N-n < N-1$ より修正係数は必ず1未満)。この効果を表しているのが有限母集団修正である。
    母集団サイズ $N$ が抽出数 $n$ に比べて十分大きい場合($N \to \infty$)、$\frac{N-n}{N-1} \to 1$ となり、超幾何分布は二項分布 $B(n, p)$ に近づく。これは「母集団が十分大きければ、非復元抽出も復元抽出とほぼ同じとみなせる」という直感とも一致する。
  7. Q7 · 2級 · 暗記 · 一問一答

    ポアソン分布 $\mathrm{Po}(\lambda)$ の期待値と分散を書け。

    答え

    $E[X] = \lambda, \quad V[X] = \lambda$

    特徴

    期待値と分散が一致するのがポアソン分布の特徴。 実データで分散が期待値を大きく上回る場合は過分散を疑い、負の二項分布などを検討する。

    二項分布との関係

    $B(n, p)$ において $n \to \infty$、$p \to 0$、$np \to \lambda$ の極限がポアソン分布になる。
  8. Q8 · 2級 · 暗記 · 一問一答

    幾何分布 $\mathrm{Ge}(p)$(初めて成功するまでの試行回数を表す確率変数 $X$、$X = 1, 2, 3, \ldots$)の期待値と分散を求めよ。

    答え

    $E[X] = \dfrac{1}{p}, \quad V[X] = \dfrac{1-p}{p^2}$

    無記憶性

    幾何分布は「無記憶性」を持つ分布として知られる。すなわち $m, n \geq 0$ に対して $P(X > m+n \mid X > m) = P(X > n)$ が成り立ち、「すでに $m$ 回失敗している」という情報は今後の試行に一切影響しない。

    負の二項分布との関係

    幾何分布は、負の二項分布において「$r$ 回目の成功までの試行回数」の $r=1$ の場合に相当する特別なケースである。
  9. Q9 · 準1級 · 暗記 · 一問一答

    負の二項分布(パスカル分布)$\mathrm{NB}(r, p)$(成功確率 $p$ の試行を繰り返し、$r$ 回目の成功が得られるまでの試行回数を表す確率変数 $X$、$X = r, r+1, r+2, \ldots$)の期待値と分散を求めよ。

    答え

    $E[X] = \dfrac{r}{p}, \quad V[X] = \dfrac{r(1-p)}{p^2}$

    幾何分布との関係

    負の二項分布は、独立な幾何分布 $\mathrm{Ge}(p)$ に従う確率変数を $r$ 個足し合わせたものと考えられる。すなわち「1回目の成功までの試行回数」「1回目の成功の次から2回目の成功までの試行回数」...というように、各成功の間隔がそれぞれ独立に幾何分布に従うため、期待値・分散もそれぞれ $r$ 倍したものになる($r=1$ のときは幾何分布そのものに一致する)。

    二項分布との対比

    二項分布は「試行回数 $n$ を固定して、成功回数 $X$ が何回になるか」を問う分布であるのに対し、負の二項分布は「成功回数 $r$ を固定して、そこに到達するまでの試行回数 $X$ が何回になるか」を問う分布である。固定する側と確率変数になる側が入れ替わっている関係にあると理解すると整理しやすい。
  10. Q10 · 2級 · 計算 · 一問一答

    あるくじ付き自動販売機で、1回の購入につき追加の缶ジュースが当たる確率は0.3であるとする。景品が当たったときに $X=1$、当たらなかったときに $X=0$ とする確率変数 $X$ を考える。このとき $E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 0.3, \quad V[X] = 0.21$

    解き方

    ベルヌーイ分布 $\mathrm{Bernoulli}(p)$ の期待値は $E[X]=p$、分散は $V[X]=p(1-p)$ で与えられる。ここでは $p=0.3$ なので、 $$E[X] = 0.3$$ $$V[X] = 0.3 \times (1 - 0.3) = 0.3 \times 0.7 = 0.21$$
  11. Q11 · 2級 · 計算 · 一問一答

    1から7までの番号が1つずつ書かれた7枚のカードがある。この中から1枚を無作為に引いたときのカードの番号を確率変数 $X$ とする。$X$ は $1, 2, \ldots, 7$ の値を等確率でとる離散一様分布に従うとき、$E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 4, \quad V[X] = 4$

    解き方

    $1, 2, \ldots, n$ の離散一様分布の期待値は $E[X] = \dfrac{n+1}{2}$、分散は $V[X] = \dfrac{n^2-1}{12}$ で与えられる。ここでは $n=7$ なので、 $$E[X] = \frac{7+1}{2} = 4$$ $$V[X] = \frac{7^2-1}{12} = \frac{48}{12} = 4$$
  12. Q12 · 2級 · 計算 · 一問一答

    1枚の公正なコイン(表が出る確率0.5)を8回投げるとき、表が出た回数を表す確率変数を $X$ とする。$X$ は二項分布 $B(8,\ 0.5)$ に従うとき、$E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 4, \quad V[X] = 2$

    解き方

    二項分布 $B(n, p)$ の期待値は $E[X]=np$、分散は $V[X]=np(1-p)$ で与えられる。ここでは $n=8$、$p=0.5$ なので、 $$E[X] = 8 \times 0.5 = 4$$ $$V[X] = 8 \times 0.5 \times (1 - 0.5) = 8 \times 0.5 \times 0.5 = 2$$
  13. Q13 · 2級 · 計算 · 一問一答

    歪みのあるコイン(表が出る確率0.25)を8回投げるとき、表が出た回数を表す確率変数を $X$ とする。$X$ は二項分布 $B(8,\ 0.25)$ に従うとき、$E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 2, \quad V[X] = 1.5$

    解き方

    二項分布 $B(n, p)$ の期待値は $E[X]=np$、分散は $V[X]=np(1-p)$ で与えられる。ここでは $n=8$、$p=0.25$ なので、 $$E[X] = 8 \times 0.25 = 2$$ $$V[X] = 8 \times 0.25 \times (1 - 0.25) = 8 \times 0.25 \times 0.75 = 1.5$$
  14. Q14 · 2級 · 計算 · 一問一答

    袋の中に赤玉3個と白玉3個、合計6個の玉が入っている。この中から玉を2個同時に(非復元で)取り出すとき、取り出した玉に含まれる赤玉の個数を表す確率変数を $X$ とする。$X$ は超幾何分布 $\mathrm{HG}(6, 3, 2)$ に従うとき、$E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 1, \quad V[X] = 0.4$

    解き方

    超幾何分布 $\mathrm{HG}(N, K, n)$ の期待値は $E[X] = n\dfrac{K}{N}$、分散は $V[X] = n\dfrac{K}{N}\left(1-\dfrac{K}{N}\right)\dfrac{N-n}{N-1}$ で与えられる。ここでは $N=6$、$K=3$、$n=2$ なので、 $$E[X] = 2 \times \frac{3}{6} = 2 \times 0.5 = 1$$ $$V[X] = 2 \times 0.5 \times (1-0.5) \times \frac{6-2}{6-1} = 2 \times 0.25 \times \frac{4}{5} = 0.5 \times 0.8 = 0.4$$
    仮に非復元ではなく復元抽出(二項分布 $B(2, 0.5)$)だったとすると、分散は $2 \times 0.5 \times 0.5 = 0.5$ になる。有限母集団修正 $\frac{N-n}{N-1}=\frac{4}{5}$ を掛けることで、非復元抽出の分散 $0.4$ がそれより小さくなっていることが確認できる。
  15. Q15 · 2級 · 計算 · 一問一答

    あるコールセンターに1分間にかかってくる電話の件数は、平均3件のポアソン分布に従うことが分かっている。1分間にかかってくる電話の件数を表す確率変数を $X$ とすると、$X$ はポアソン分布 $\mathrm{Po}(3)$ に従う。このとき $E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 3, \quad V[X] = 3$

    解き方

    ポアソン分布 $\mathrm{Po}(\lambda)$ の期待値と分散は、いずれも $\lambda$ に一致する($E[X]=\lambda$、$V[X]=\lambda$)。ここでは $\lambda=3$ なので、 $$E[X] = 3, \quad V[X] = 3$$
  16. Q16 · 2級 · 計算 · 一問一答

    あるバスケットボール選手のフリースローの成功確率は0.25であるとする。この選手が成功するまでフリースローを繰り返すとき、初めて成功するまでの試行回数を表す確率変数を $X$ とする。$X$ は幾何分布 $\mathrm{Ge}(0.25)$ に従うとき、$E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 4, \quad V[X] = 12$

    解き方

    幾何分布 $\mathrm{Ge}(p)$ の期待値は $E[X]=\dfrac{1}{p}$、分散は $V[X]=\dfrac{1-p}{p^2}$ で与えられる。ここでは $p=0.25$ なので、 $$E[X] = \frac{1}{0.25} = 4$$ $$V[X] = \frac{1-0.25}{0.25^2} = \frac{0.75}{0.0625} = 12$$
  17. Q17 · 準1級 · 計算 · 一問一答

    あるバスケットボール選手のフリースローの成功確率は0.25であるとする。この選手がフリースローを繰り返すとき、2回目の成功が得られるまでの試行回数を表す確率変数を $X$ とする。$X$ は負の二項分布 $\mathrm{NB}(2,\ 0.25)$ に従うとき、$E[X]$ と $V[X]$ を求めよ。

    答え

    $E[X] = 8, \quad V[X] = 24$

    解き方

    負の二項分布 $\mathrm{NB}(r, p)$ の期待値は $E[X]=\dfrac{r}{p}$、分散は $V[X]=\dfrac{r(1-p)}{p^2}$ で与えられる。ここでは $r=2$、$p=0.25$ なので、 $$E[X] = \frac{2}{0.25} = 8$$ $$V[X] = \frac{2 \times (1-0.25)}{0.25^2} = \frac{2 \times 0.75}{0.0625} = \frac{1.5}{0.0625} = 24$$
    $r=1$ とした幾何分布 $\mathrm{Ge}(0.25)$ では $E[X]=4$、$V[X]=12$ であった。$r=2$ にすると期待値・分散がともにちょうど2倍の $8$、$24$ になっており、負の二項分布が独立な幾何分布を $r$ 個足し合わせたものであることが数値上でも確認できる。

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